病死に見えて事故死かもしれない、自殺に見せかけた他殺かもしれない、
急増する危険ドラッグや過労が原因の死かもしれない。
それなのに日本では、犯罪性が疑われる死体の2割が解剖されることなく荼毘に付されている。
ずさんな検視による犯罪見逃しや冤罪も後を絶たない。
また、まかり通る「死因のウソ」は、私たち生きている人間に悪影響を及ぼす。
伝染病の発見が遅れ、虐待も見逃され、補償金や生命保険料の支払額にも誤りが生じる――。
解剖、CT検査、DNA鑑定、組織鑑定など法医学者の仕事に迫りつつ、
知られざる社会問題をあぶり出す。